地熱関連業務
GEOTHERMAL
東北地方には、豊富な地熱資源を活かして多くの地熱発電所が稼働しています。地熱発電所の環境配慮の推進をサポートする地熱関連業務は、 長年の豊富な実績を持つ弊社の“得意分野”の一つです。
-
【植物調査】
-
【硫化水素調査】
豊富な実績
東北地方の多くの地熱発電所で、操業中の環境モニタリングやメンテナンスを実施しています。環境アセスメントでは、国内初となる「配慮書手続」と「前倒環境調査」、そして優良事例の形成に係る「国立・国定公園内の新設事業」の実績があります。
環境配慮の推進をトータルサポート
適地選定・資源量調査段階から、環境アセスメント段階、発電所建設・供用開始後、メンテナンス、そしてリプレースまで、地熱発電所の環境配慮の推進を一貫してお手伝いします。
適地選定・資源量調査段階の環境影響検討
-
事業の早期段階で環境影響を把握
坑井調査や取付道路造成などの着手時から、希少な動植物や景観などの調査を通して環境と共生する事業計画づくりを支援します。
-
発電所の建設時に必要となる環境保全措置を早期に提案
事業に伴う環境影響を効果的に回避・低減するために、発電所の配置検討にも役立つ的確で実行可能な取り組みをご提案します。
-
国立・国定公園内における優良事例の形成を支援
国立・国定公園内(第2・3種特別地域)で事業を行う場合は、平成27年環境省通知※に基づき自然環境や景観への影響を通常以上に低減するなどの「優良事例の形成」が求められます。弊社では、自然豊かな地域で求められる環境配慮の取り組みを支援し、自然環境や風致景観との調和をお手伝いします。
※「国立・国定公園内における地熱発電の取扱いについて(平成27年10月2日環境省自然環境局長通知)」
-
【景観調査】
-
【希少植物の移植】
環境アセスメント段階
-
円滑なアセス手続きをサポート
配慮書から評価書、モニタリングまで、設計工程と連携した最適な手続きのスケジュールをご提案します。
-
アセス手続き期間の短縮化
従来は3~4年を要した手続き期間を前倒環境調査により2年程度に短縮し、リードタイムの圧縮に貢献します。
-
最新の知見に基づく過不足のない調査・予測・評価
環境アセスメントの要所をおさえた調査・予測・評価を迅速に行います。硫化水素・温泉など地熱特有の項目もお任せください。
-
豊富な実績ならではの審査対応
住民説明会の運営や行政の審査のスムーズな進行を、経験豊富なスタッフがお手伝いします。
-
【動物調査】
-
【水生生物調査】
発電所建設・供用開始後
-
的確な調査の実施・報告
土地改変に伴う動植物への影響や、工事に伴う生活環境への影響が回避・低減されていることを確認し、自然環境や地域との共存を図る取り組みの効果を見える化します。
-
工事の進捗に応じた環境保全措置の支援
希少な植物の移植を適切な時期に行うなど、建設に伴う環境影響の回避・低減を図る取り組みの支援をタイムリーに行います。
-
供用開始後のモニタリング
自治体との協定に基づく環境調査や環境監視・事後調査などが必要な場合、着実に実施し迅速に報告を行います。
-
地域との交流・協調活動
工事の見学会や説明会など、地域とのコミュニケーションを環境調査の専門スタッフがお手伝いします。
-
【猛禽類モニタリング調査】
-
【騒音・振動調査】
メンテナンス
-
長期的な管理計画でトータルサポート
地熱発電所の環境保全を熟知したスタッフが多数在籍しています。大気質・水質の分析、工業薬品販売から山間部や雪国での緑化維持管理まで、何でもお任せください。
<主なメンテナンス受託項目>
- 発電所周辺の硫化水素などの大気質分析
- 蒸気、冷却水および循環水などの水質分析
- 発電所の健全な運用に欠かせないタービン油の性状分析
- オイルフラッシング業務
- 配管の腐食を抑制する苛性ソーダなどの工業薬品販売
-
【水質分析】
-
【雪囲い】
地熱発電所の導入加速化に向け、環境アセスメントの円滑化は重要な課題の一つです。環境影響の調査・予測・評価の手法の最適化やエコロジカル・ランドスケープ手法※のさらなる利活用を目指し、NEDO委託研究開発を通して技術革新に取り組んでいます。
※施設配置等を決定する際に自然環境に配慮して、生態系・景観・施設機能の共存を図りながら検討を進める設計手法
NEDO委託研究開発の主な実績(共同研究を含む)
- 硫化水素の高精度モニタリング装置に関する研究開発(2018年度)
- 冷却塔排気に係る環境影響の調査・予測・評価の手法に関する研究開発(2019年度~)
- 優良事例形成の円滑化に資する環境保全対策技術に関する研究開発(2019年度~)
-
【植物影響実験】
-
【着氷影響実験】
環境保全措置の例
■小動物の這い出し側溝
アクセス道路の敷設により、サンショウウオなどの小動物の生息場や産卵場が分断されることがあります。その対策として、移動する際に側溝に落下しても脱出できるように、這い上がりスロープ等の工夫が施された側溝の設置及び、効果的な配置を提案します。
■人工湿地の創出
環境の改変によって湿地の生態系に影響が生じる場合、植物や水生昆虫、両生類などを保全するために、人工湿地などの代償措置を提案します。
■樹上で活動する小型哺乳類の保全
土地改変により、樹洞などで繁殖する小動物への影響が避けられない場合、巣箱の設置による繁殖場所の創出や、繁殖時期を避けて伐採を行う工事計画を提案します。
■植生の回復
土地改変後の緑化を行う際に、外来種の侵入を防ぎ、可能な限り在来植生の回復を図る手法を提案します。
■その他様々な取り組み
- 希少猛禽類のコンディショニング(馴化)※や営巣地誘導
- 希少な植物の移植による保全
- 動物の移動や巣づくりへの影響低減
- 修景・緑化・植物育成管理計画の検討
※工事の実施規模などを段階的に大きくすることで、希少猛禽類を工事に馴れさせて影響を低減する保全手法
-
【這い出し側溝】
-
【繁殖場所の創出】
「3つの国内初事例」とは?
⇒配慮書手続
2011年の法改正で環境アセスメントに新たに加えられた手続きです。事業の位置・規模等の計画段階で、環境への影響を可能な限り回避・低減するための検討を行う必要があります。環境影響評価法に基づく最初の地熱発電所の配慮書手続きの事業は、弊社がサポートさせて頂きました。
⇒前倒環境調査
2017年度までにNEDOで実証されたアセス手続き期間を短縮化する手法です。本来は方法書の後に実施する環境調査を前倒しで行うため、手戻りのないよう緻密な調査計画の立案をすることが重要です。地熱発電で初となる実証事業の前倒環境調査は弊社が担当し、アセス手続き期間の短縮化に貢献しました。
⇒国立・国定公園内の新設事業
平成27年環境省通知※により、国立・国定公園の第2種・第3種特別地域での地熱開発は、自然環境や風致景観との調和を図る取り組み等が、真に「優良事例」にふさわしいと判断される必要があります。この地域内で通知後に初となる地熱発電所の新設事業の環境アセスメントは弊社が担当し、優良事例の形成をサポートさせて頂いております。
※「国立・国定公園内における地熱発電の取扱いについて(平成27年10月2日環境省自然環境局長通知)」



